KYOTO AI ASSOCIATION
AI利用ガイドライン(仮)
生成AIサービスの仕様・プランに関する記述は2026年9月時点の情報です。各自で最新の利用規約をご確認ください。禁止事項を増やす変更は、本ガイドラインではなく規約の改定(社員総会)で行います。
1 このガイドラインの使い方
- 迷ったら「情報の区分(第2章)→ 設定表(第3章)→ チェックリスト(第13章)」の順に見てください。
- それでも迷ったら info@kyoto-ai.org へ。聞いたことで不利益になることはありません。
2 情報の3区分(規約第15条の2)
| 区分 | 例 | 目安 |
|---|---|---|
| 公開情報 | 顧客のWebサイト、プレスリリース、公開済み資料、一般的な業界知識 | 誰が見ても困らない |
| 社外秘情報 | 社内の業務フロー、個人名のない議事録、未公開の企画、社内マニュアル | 外に出たら気まずいが、法律で守られているとまでは言えない |
| 要保護情報 | 氏名・住所・電話・メール、顧客リスト、給与・人事、契約書、原価・仕入先、独自ノウハウ、顧客資産のソースコード | 外に出たら顧客に実害がある/法律で守られている |
判定のコツ:「これが漏れたら顧客に謝りに行くか?」→ 行くなら要保護。「気まずいだけ」なら社外秘。
仮名化で区分を一段下げる条件(規約第15条の2第4項)
- 氏名→「Aさん」、社名→「B社」、住所・電話・メール→削除、固有の商品名→「主力商品」に置き換える。
- 置き換えの対応表はAIに入れない(手元のメモに置く)。
- 法律上は、仮名化しても個人情報のままとされる場合があります。協会のルールとして「社外秘扱いで可」としますが、顧客との契約で生成AIの利用を合意しておくことをおすすめします。
3 生成AIの設定表(2026年9月時点)
| 区分 | 学習に使われる設定・プラン | 学習に使われない設定・プラン |
|---|---|---|
| 公開情報 | ○ 自由 | ○ 自由 |
| 社外秘情報 | × 不可 | ○ 可 |
| 要保護情報 | × 不可 | △ 顧客の同意があれば可 |
「学習に使われない」の確認方法(一般的な傾向。必ず各自で確認)
- 法人向けプラン(Team/Business/Enterprise と呼ばれるもの)やAPI経由の利用は、多くの主要サービスで「入力を学習に使わない」が既定です。
- 個人向けの無料・有料プランは、設定画面に「モデルの改善に利用する」「データ管理」等の項目があり、既定でオンのものが多いです。オフにすれば「学習に使われない設定」として扱ってよいものとします。
- 確認したら設定画面の画像を日付つきで保存してください(顧客に説明できます)。
- サービス名を挙げた「設定確認表(2026年9月)」は会員向けDiscordに掲示し、随時更新します。
4 顧客との合意(契約に入れるAI利用条項のひな形)
紹介案件の業務委託契約書に、次の1条を入れることをおすすめします。
受託者は、本業務の遂行にあたり生成AIサービスを利用することができる。この場合、受託者は、委託者から受領した個人情報および秘密情報を、入力内容が当該サービスの提供者により学習その他の目的で利用されない設定においてのみ入力するものとし、一般社団法人京都AI協会「AI利用ガイドライン」に準拠して取り扱う。委託者が特定の情報について生成AIへの入力を禁止するときは、あらかじめ書面(電子メールを含む)で受託者に通知する。
契約書を交わさない小規模な案件では、着手前のメールに次の1段落を入れれば足ります。
5 講座の録画・資料(規約第11条4〜5項・第15条の3)
協会主催講座
- 申込ページに「本講座は録画し、会員向け教材として利用します。受講者の顔は映しません。質疑の音声は会員限定で共有します」と明記します。
- 録画は講師の画面と音声を基本とし、受講者のカメラはオフの設定で開始します。
- 講師は資料の1ページ目に「© 講師名 / 京都AI協会での利用許諾済み」を入れてください(権利の所在を明確にするため)。
- 講座で配布したコード・プロンプトは、受講者がご自身の業務で自由に使えます(商用可)。そのままの再配布・販売はできません。
パートナー講座
- 録画するかどうか、誰が権利を持つかは開催者が決めます(既定は開催者)。
- 協会は開催報告用に写真1〜3枚・数分の動画を使うことがあります。差し支えがあれば開催前にお申し出ください。
6 Discord・スクリーンショット(規約第15条の3)
- 自分の投稿:自由に外へ出してかまいません。
- 他の人の投稿・画面:本人に「引用していい?」と聞いてOKをもらってください。Discord上のやり取りで足ります(スレッドが記録になります)。
- 学んだことを自分の言葉で書く:持ち出しではありません。自由です。
- 企業からの相談をDiscordで共有するとき:社名・担当者名を伏せ、課題の要旨だけにしてください。「京都の製造業から見積の自動化の相談」程度が目安です。
7 成果物の権利(早見表)
| 場面 | 権利は誰に | 協会はどこまで使える |
|---|---|---|
| 協会主催講座の資料 | 講師 | 教材・再実施・広報で無償利用(改変は講師の同意) |
| 協会主催講座の録画 | 協会が管理 | 会員向け教材。受講者の発言部分は会員限定 |
| パートナー講座の資料・録画 | 開催者 | 広報用の短い抜粋のみ、許諾を得て |
| 講座で配ったコード・プロンプト | 講師 | 受講者は自己利用可・再配布不可 |
| 案件の成果物 | 会員と企業の契約による | 使いません。事例化は企業の承諾を会員経由で得ます |
| 共同制作物 | 始める前に決める。決めなければ関与者全員の共有 | 協会が利用調整の窓口になります |
8 実績公開の3段階(規約第22条4項)
| 段階 | 書いてよいこと | 必要な承諾 |
|---|---|---|
| ① 匿名事例 | 業種・地域・規模・課題・効果(例:「京都市内の製造業・従業員30名規模・見積作成が1件40分→10分」) | 不要。ただし契約に秘密条項があり、業種・規模で特定されうる場合は不可 |
| ② 社名表示 | 「A社(京都市)の見積業務改善を支援」 | 顧客のメール承諾1通(第9章のひな形) |
| ③ 詳細事例 | 画面・数値・担当者コメント・ロゴ | メール承諾+掲載前の原稿確認 |
書いてよい/だめの線:「何が課題だったか」「どう変わったか」は書けます。「どうやったか」のうち顧客固有の手順・データ・仕入先・単価は書きません。
9 実績公開の承諾をメール1通でいただく文面
返信で「承諾します」と書いていただければ成立します。返信はPDF等で保存し、協会サイトにも載せる場合は協会にも共有してください。
○○株式会社 ○○様
いつもお世話になっております。○○(会員名)です。
このたびの○○業務の改善支援につきまして、私の実績として次の範囲でご紹介させていただきたく、ご確認をお願いいたします。
■ 記載する内容
・貴社名(○○株式会社、京都市)
・支援の内容(例:見積書作成の自動化支援、2026年○月〜○月)
・数値・画面・担当者様のお名前は記載しません
■ 掲載する場所
・私のウェブサイト、名刺、提案書
・一般社団法人京都AI協会のウェブサイト(会員の実績として)
■ お約束
・業務の中身や貴社の内部情報は記載しません
・掲載後でも、ご連絡いただければ速やかに取り下げます
ご了承いただける場合は、このメールに「承諾します」とご返信ください。修正のご希望があれば、その旨をお書き添えください。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
③詳細事例の場合は「■ 記載する内容」に「成果の数値」「画面の一部(社外秘の項目は伏せます)」「ご担当者様のコメント」を加え、「■ お約束」に「掲載前に原稿をお送りし、ご確認いただいたうえで公開します」を加えてください。
着手前のメールに「本件が完了しましたら、貴社名と支援内容を私および京都AI協会の実績としてご紹介させていただきたく存じます。数値や内部の情報は記載いたしません。差し支えがあればお知らせください。ご返信がない場合も、掲載前に改めてご確認いたします」と一段落入れておくと、完了後に断られにくくなります。
10 生成物の権利確認手順(規約第12条11項)
納品前に次を行い、実施した記録(日付・確認方法)を手元に残してください。この記録があれば、万一の紛争でも協会から賠償を求めることはありません。
- 画像・ロゴ・キャラクター:画像検索で類似作品がないか確認。既存キャラクターや有名作品の名前を指示に入れていないか確認。
- 商品名・サービス名:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で商標を検索。
- 文章:長い引用がそのまま出ていないか確認。出典が示せない断定的な事実は顧客に「要確認」と伝える。
- コード:生成コードにライセンス表示(GPL等)が混入していないか確認。
- 利用規約:使った生成AIサービスの規約で商用利用・出力の権利が認められているか確認(画面を保存)。
11 情報漏えい等の報告(規約第15条の4)
- 対象:要保護情報を学習に使われる設定で入力してしまった/外部に漏れた・漏れたおそれがある。
- 期限:知った日から3日以内。
- 窓口:info@kyoto-ai.org(件名「【報告】情報取扱い」)。
- 報告したことで不利益にはなりません。隠した場合・虚偽の報告をした場合だけが規約違反です。
次の6項目をそのままメール本文に書いてください。
2. 何の情報を(区分・おおよその件数)
3. どこに(サービス名・設定の状態)
4. 顧客・関係者に伝えたか(済/未・予定日)
5. 取った対応(削除依頼・履歴削除・設定変更 等)
6. 協会に相談したいこと
協会は、記録を残し、助言し、必要なら顧客への説明の文案を一緒に作ります。顧客への連絡はご本人からが原則です。
12 協会自身の運用(規約第22条5項)
- 会員名簿・入会フォームの内容は、学習に使われない設定のサービスでのみ処理します。
- 会員の個人情報を含む問い合わせ対応の下書きに生成AIを使う場合も同じです。
- 協会のサイト・広報でAI生成画像を使うときは、その旨を隠しません。
13 チェックリスト
A 顧客情報をAIに入れる前(毎回)
- ☐ その情報は「公開/社外秘/要保護」のどれか決めた
- ☐ 使うサービス・設定は「学習に使われない」と確認済み(画面を保存した)
- ☐ 要保護なら、顧客の同意(契約条項またはメール)がある
- ☐ 氏名・連絡先・固有名詞は消した/置き換えた(対応表はAIに入れない)
- ☐ 入力後、不要なら会話履歴を削除した
B 講座を開く前(講師・開催者)
- ☐ 申込ページに録画の有無と用途を書いた
- ☐ 資料に権利表示(© 氏名)を入れた
- ☐ 受講者のカメラはオフで開始する設定にした
- ☐ 配布するコード・プロンプトの利用条件(自己利用可・再配布不可)を伝えた
C 実績を公開する前
- ☐ 段階(①匿名/②社名/③詳細)を決めた
- ☐ ②③なら顧客の承諾メールを保存した
- ☐ 「どうやったか」の顧客固有情報を書いていない
- ☐ 協会の事例にもなる場合、協会への共有を顧客の承諾に含めた
D 生成物を納品する前
- ☐ 第10章の確認(類似・商標・引用・ライセンス・利用規約)を行い記録した
- ☐ AI生成であることを顧客に伝えている
E 事故が起きたとき
- ☐ 3日以内に info@kyoto-ai.org へ第11章の様式で報告した
- ☐ 顧客への連絡を(協会と相談のうえ)行った
最終更新:2026年9月7日(制定前の案・第1案)
根拠となる規約は 会員規約(仮) 第11条・第12条・第14条・第15条の2〜4・第22条をご覧ください。